資金/為替政策・市場諸規制等(1)

Last updated on  98/11/14

 ここでは皆さんに、インドネシアの金利 及び為替政策について説明致します。 特にここの国では、良く見えない規制とかもあり、投資、取引をするにあたり、 ある程度知らなくてはいけないものがあります。良く変わりますので、最新のものを掲載する事は出来ません。なるべく最新のものも追加するように善処致します。

[ 資金・為替政策 (2) ]


今までの当地通貨制度について

インドネシアの通貨制度は、主要通貨貿易加重バスケットおよびその他の経済の諸事情に基づき中銀が対米ドル変動幅を 定め、 その範囲内で通貨の変動を許容するという管理フロート(中銀相場制)でありました。中銀は毎日当地時間午後3時にインターベンション・レート(Intervention Rate)及びコンバージョン・レート(Conversion Rate)の 2種類の相場を公表していた。

特に前者については、当該レートで市中銀行と無制限の取引を出来る(約束することから)事から、市中銀行の為替ポジション最終尻調整の場として活発に利用されていた。これは相場安定効果をもたらしていたとも言えます。

更に補足致しますと、インドネシアの金融機関で海外に拠点を持っていなけ(多くの場合がそうですが)、欧州通貨のポジションを解消するにもこれは非常に有効な手段であった。特に、海外拠点を持たない小さな銀行は、ポジションを解消するのに(銀行ではこれをスクエアー (Square)と言います)良く使用したそうです。中銀はこれまで米ドルとインフレとの格差に応じて中長期的にルピア安に誘導する政策(ルピア減価政策、フロートダウン政策) を採りながら、徐々にその売買幅を拡大、短期的な相場形成にある程度の自由裁量余地を拡大させてきた。1989年に導入された新為替相場制度以降の中銀相場売買幅拡大の推移は下記の表の通りです。

<中銀相場売買幅拡大の推移>
売 買 幅

実施日

バンドの幅

6  ポイント

1989年10月9日

0.30 %
10  ポイント 1992年9月16日 0.50 %
20  ポイント 1994年1月3日 1.00 %
30  ポイント 1994年9月5日 1.50 %
44  ポイント 1995年6月30日 2.00 %
66  ポイント 1996年1月2日 3.00 %
118  ポイント 1996年6月13日 5.00 %
192  ポイント 1996年9月11日 8.00 %
304  ポイント 1997年7月11日 12.00 %

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公表相場売買幅拡大

1997年7月初にタイ、フィリピンが相次いでドルペッグ制を放棄し変動相場制に移行する中、インドネシア中銀は7月11日にルピアの中銀公表相場売買幅を従来の192ポイントから304ポイントに拡大(8.0%→12.0%)し、市場実勢相場を尊重する姿勢を明らかにした。公表相場売買幅拡大を初めて発表した時には、特に大きなルピア相場への影響は見られなかった。

しかしながら、その後通貨投機の波がマレーシアリンギットに波及、ルピアもその対象とされ、7月初に1ドル2432であったドル/ルピア相場は21日には2663まで下落 した。インドネシア中銀はこれらルピア売り投機に対し市場介入を実施したほか、市中流動性を吸収 、高金利政策を採ることにより、通貨防衛に努めた。

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ルピア資金の「最低流動性確保」と「預金準備」について

インドネシア国内で営業する金融機関は全てインドネシア中央銀行に、(1)最低流動性残高維持、(2)預金準備を維持しなければいけない。これはルピア資金と外貨に両別される。一般的には、

預金準備率(Reserve Requirements)
これは説明するまでも無く、日本でもどこの国でも基本的には金融機関の健全性確保のために強制的に中央銀行に預金の一定比率を置かなければいけない(預託、是も金利は付利されない=銀行にとってはマイナス収益)。これは全ての預金と称するものに適用され、ルピア預金であれば、5%の預金準備率が適用され、ドル預金であれば、3%の預金準備率が適用され、これを下回れば罰金がある(定期性、流動性預金を問わず全て対象)。

Definition : The minimum Liquidity Requirements which must be maintained at he Central bank is 5% fior Rupiah and 3% for the foreign currencies from the total liability.

最低流動性残高(Minimum Balance Requirement)
上記とどう異なるか。似ていると思う方々が多いと思いますが、これは最低残高を中央銀行に維持しなければならない規定である。インドネシア中央銀行は各金融機関毎の預金残高を計算し、下記の4つの分割された期間に計算された残高を必ず中央銀行に積まないといけない。これは毎日守らないといけない規定残高であり、一週間などの平均残高(平残)等ではない。従って、規定期間の最後に全ての金融機関は急いで積み増しをする現象は起こらない(通常は最終日に金利が高騰する)。考えてみれば、日本よりは進んでいる。

最低流動性残高の計算式 : ¹ 計算対象期間の全ての ² 流動性資産 / 計算対象期間の ³ 総負債 × 100%

   ¹ 計算対象期間 ² 流動性総資産 ³ 総負債

ルピア資金

  (1期間) 1日から7日
  (2期間) 8日から15日
  (3期間) 16日から23日
  (4期間) 24日から月末まで

現金

当座預金
  コールマネー
  定期預金、貯蓄預金
  その他流動性(suspense とか

外貨資金

  (1期間) 1日から7日
  (2期間) 8日から15日
  (3期間) 16日から23日
  (4期間) 24日から月末まで

現金
オフショア借入資金

当座預金
  コールマネー
支払い済みL/C
  定期預金、貯蓄預金
  その他流動性(suspense とか

以前は規定以上のルピア残高を積んでいたらこれに付利していたが、1984年5月1日以降これを廃止し、代わりにSBI(政府短期証券)を発行する事により、市場から余剰資金を吸収するオペを実施している。又、ドルに関しては1984年の2月1日から付利するのをやめている。


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